夢日記:ミズドリ
夢のなかで見知らぬ生き物に相合うのは久しぶりのことだった。
眼の前に二羽の小鳥が大人しく佇んでいた。凛とした白い羽毛で覆われているが、首元は淡い橙色、腹の辺りは爽やかな水色をしていた。傍にいた誰かが、その小鳥たちを手のひらでそっと包み込むようにして、優しく撫でているところだった。
「イソヒヨドリかな」と、夢の中の自分が呟いた。身近に見られる青色の鳥と言えばイソヒヨドリかカワセミくらいだが、カワセミよりは一回り大きいように思われたので、イソヒヨドリだろうと見込んだのだった。すると、傍にいた誰かが「これはミズドリだよ」と応えた。
それを聞いてぼくは、視界が俄に開け、脳裏に立ち込めていた靄が一挙に晴れ渡ったような心地がした。薄明の空のような風合いでありながら、けして儚いのではなく、凛乎として何処までも清らかでいる――それは近頃、森の中を駈けて外へ抜けた時、視界に現れ出た空の情景そのもののようだった。これはミズドリに相違ないと確信した。