夢日記:岨の道

夢を見た。
晴れ渡った青空の下、ぼくは車の後部座席に座っていた。車は遥か高い(そば)の上を走っていた。
車が一台通るのがやっとの細い道の眼下には、茫々たる大海原が広がっており、幽かに波打っているのが見えた。
海面には針のごとく切り立った岩塊がいくつも屹立しており、それらは若々しい緑で覆われていた。

振り返ったぼくの目には、大穴を刳り抜かれた岩塊がそびえていた。その穴のなかを通過してきたらしい。
ぼくは窓を開けて爽やかな風を感じながら、その風景を夢中になって写真に収めていた。

道を下るにつれて、空模様が悪くなりはじめた。海面が眼前に迫るようになったころには、空はすっかり暗雲で覆われていた。
相変わらず細い一本道の両側からは、かぐろい波がうねるように打ち寄せ、水しぶきが飛散していた。
窓を閉めて荒れはじめた海を眺めていると、途方もなく(おお)きなシャチやカジキマグロが、身を翻しながら水面から飛び跳ねた。
その光景を、やはりぼくは、写真に収めていた。

次第に雨が降りはじめ、いよいよ嵐めいた天気になったとき、突如として、行く手を塞ぐ壁が現れた。
夢はここで途切れてしまった。