夢日記:岩鼻の入日
超自然的な風景を夢中で撮影しているうちに、その美しさが次第に褪せてゆき、ついには跡形もなく消え去ってしまう――そういう夢を、ぼくはたびたび見る。
今朝もまた、そんな夢を見た。
ぼくは極めて高い岩鼻に身を乗り出して、遠景にそびえる峻険な山々に無我夢中でカメラを向けていた。山並みの間からは入日が煌々と輝き、山肌に降り積もった雪を紅く染めていた。
あっという間に夜の帷が下りた。山々は暗がりに包まれ、見えなくなってしまった。
かと思えば、今度は中腹のあたりがマゼンタ色に激しく発光しはじめた。
ぼくはじゅうぶんに満足して、帰途につこうとした。
だが、夜闇に呑まれて道はまったく見えなくなっていた。
スマホの地図アプリに頼ろうとしたが、あろうことかバッテリーの残量は17%しかない。家までは一時間以上もかかる道のりだ。
にわかに不安と恐怖とが押し寄せてきた。