夢日記:巨象

奇怪な夢を見た。
茫漠とした大地を、途方もなく(おお)きな象が歩いていた。体感にして、優に五十メートルは超えていたように思う。

奇妙なことに、その象の足は、また別の象であった。しかも種が異なる――全体はナウマンゾウの風貌をしていながら、足を成す象はアフリカゾウのそれであり、さらにその足はまたナウマンゾウの姿をして――そこから先は認識が及ばなかった。とにかく底知れぬ異様さで、目の当たりにしていると恐怖が這い上がってきた。

巨象はどしん、どしんと大地を踏み鳴らしながら進んでいた。その足の下を潜り抜けようとしている生き物がいた。人の形をしていながら、アルマジロのごとく体を丸めて身を守ることができる、奇妙な生き物だった。そいつは踏み潰されそうになって咄嗟に身を丸くし、(から)くも難を逃れた。

象の進む(みち)の隣を、別の巨大な生物が逆向きに進行しはじめた。するとまたその隣の路を、別の巨大な生物が反対の向きに――それが幾度も繰り返されて、ついにぼくのいる路に化け物が迫る番がやってきた。

その化け物は、途轍もなく巨きな、凶暴な面構えのゴリラであった。そいつが全速力で、ぼくめがけて突進してくる。

ぼくは、そいつが地面を蹴り上げて宙に浮いた一瞬の隙を見計らい、その下を潜り抜けようとした。
だが、夢の記憶はそこで途切れている。