街のあかりを揺らしつつ
寺院の夜を通りゆく
(まろ)い線香の薫りをつれて
蛆虫宝玉に黙礼す
《闇だ、光だ、蛆虫だ》

蛆虫湯殿に赴いて
ほのめく光の湯を浴びる
湯水のまにまに流されて
闇の底へと落ち(たぎ)
《闇だ、光だ、蛆虫だ》

そのとき蒼い小山のうえで
マーモット()が欠伸する
己が身ぐるみべろりと剥いで
淋しく腹を掻きむしる

蛆虫ひとつまたひとつ
何処(いずこ)ともなくこぼれ落つ
青い月光のなかにいて
蛆虫ひとつ蠕動す
《闇だ、光だ、蛆虫だ》

蛆虫ひとつ蠕動す