航路

星たちが鰭をはためかせ青き夜の無限結晶を征く

やがてやわらかな茜のひかりに包まれ心は
かぐろい夜の宙(そら)へ引き込まれてゆく

ひとり佇んでいた
冬の駅の長い一条のホーム
列車は来ない 木枯しの吹くばかり
白い吐息が線路の果てへ消えてゆく

ポケットの向こうの冷たく静まったクロノメーター
もう夜の深いくらがりは渡れない
ただ搏動だけが忠実忠実(まめまめ)しく白色の虚空に時を刻む

舞いはじめた淡雪に世界の閉じはじめた頃
夜の彼方へ泳ぎ出る夢を見た