にょ⁠ろ⁠に⁠ょ⁠ろ⁠蛇⁠の道化

ガーベラの茎に耳をあてていたら
いつの間にか、ガーベラのほうがぼくだった。

風も木々も胸のざわめきも
ぜんぶぼく。
それ以外はなかった。

けれど、ふとうしろを振り向くと
にょろにょろ蛇の道化が
ぼくのふりをして立っていた。

それがとてもおかしくて
でも、なつかしかった。

くるりと手にとった帽子の縁に
そっと一輪のガーベラを挿すと
きみの影法師が夕陽に揺れて
ぼくのかわりに微笑んだ。