ねずみ侯爵の朝儀
ねずみ侯爵は、なまこ共を家来に迎え入れた。
それは、ある雨上がりの朝だった。
城の床は濡れていて、なまこは滑りやすく、たいへんお行儀がわるかった。
それ以来、侯爵は来る日も来る日も、己の牙を逆立て、
干からびたなまこ共を威嚇してみせるのだった。
「よいか、おぬしら、忠義を忘れるでないぞ」
侯爵は、きょうも声を張る。
返事はない。
ただ、ひとつのなまこが、崩れた。
それを侯爵は「肯き」と受け取った。
侯爵の朝は、それでじゅうぶんだった。
ねずみ侯爵は、なまこ共を家来に迎え入れた。
それは、ある雨上がりの朝だった。
城の床は濡れていて、なまこは滑りやすく、たいへんお行儀がわるかった。
それ以来、侯爵は来る日も来る日も、己の牙を逆立て、
干からびたなまこ共を威嚇してみせるのだった。
「よいか、おぬしら、忠義を忘れるでないぞ」
侯爵は、きょうも声を張る。
返事はない。
ただ、ひとつのなまこが、崩れた。
それを侯爵は「肯き」と受け取った。
侯爵の朝は、それでじゅうぶんだった。