ロバについて

理性とは、ロバのようなものである。
我々はそれを御しながら歩くつもりでいるが、
気づけば逆に、ロバに引きずられている。

ならば、ロバを制御する者――
すなわちロバ使いを呼び寄せればよい。
だが、そのロバ使いもまた、
よく見ればロバなのである。

ならばそのロバ使いのロバ使いを、と、
我々はさらなる制御者を召喚する。
けれど、現れるたびにそれはまた、
ロバの面をしていた。

ロバを制御せしむる者は、常にロバである。
我々はロバを制御するために、
無数のロバを連れて歩くことになる。
それぞれが自らの鞭を携え、
それぞれが自らの主であろうと欲しながら、
いずれもがロバに過ぎない。

この行列は永遠に続く。
どこかで断ち切られぬかぎり、
ロバの背にロバが乗り、
そのロバの背にもロバが乗っている。

理性は理性を監督しようとして、
ついには自らの尾を噛みはじめる。